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30代転職における傾向 ~即戦力となるスキル、経験の有無が重視される~
転職市場においてニーズが高い傾向にあるのは、ある程度の実務経験があり即戦力となるスキルを持っていると同時に、新しいことも容易に吸収する柔軟性をもつ20代後半(27~28歳)から30代前半(32~33歳)と言われます。一方、同じ30代でも前半と後半では採用する企業側の見方が変わり転職難易度が上がるのでは、といった話もよく取り沙汰されます。
実態としてはここ数年、定年退職の年齢引き上げや変化の激しいビジネス環境に対応するために、経験豊富な35歳~40代のミドル層の採用に積極的な企業はむしろ増加傾向にあります。Agent Sanaでも総転職者数の多くを30代が占めており、当然、そこには35歳以上の転職者も含まれていて、30代の前半と後半にかかわらず転職の可能性が十分にあることを示しています。
いずれにしても、30歳を過ぎて1から仕事を覚えてもらわなければならない人材より、はじめから経験やスキルを持っている即戦力を雇用したいと考える企業が多いようです。そうした企業に対して、これまでどのような業務を担当し、どのような経験があり、何を得意とするか、障がいがある中でどのように仕事と向き合ってきたかといったことをきちんと説明できるようにしておきましょう。
30代前半であれば、未経験の職種に挑戦することもまだ可能な年代ですが、容易なことではありません。「障がいはありますができることは何でもやります」「未経験ですが一生懸命頑張ります」だけでは通用しません。なぜその職業に就きたいのか、将来どうなっていきたいのか、よりはっきりとした目標を持って取り組む必要があります。
障がい者における30代での転職の心構え ~転職の目的を明確に、柔軟な思考、対応力が重要~
障がいの有無にかかわらず、年齢が上がるとともに転職のハードルも高くなることは意識しておく必要があります。そうした中で必要な心構えとして、「転職によって何を得たいか」を明確にしておくことをおすすめします。「もっと障がいに理解のある会社に転職したい」「収入をアップしたい」「専門的な知識・資格を活かしたい」「もっとやりがいのある仕事をしたい」「通勤時間を短縮したい」など、得たいものは一つではないでしょう。そのすべてを満足させる転職先に出会うことは非常に難しいため、重要視するポイントは何か、優先順位をつけておくといいでしょう。
また、求人先を検討する際に、柔軟な思考を持つことも大切です。理想を高く持ちすぎたり、こだわりが強すぎたりするために、転職活動期間が予想以上に長引くケースも少なくありません。勤務時間や勤務地に対しても、障がいによって困難が予想されることや、よほどの負担になることでなければ、できる限り企業側の要望に添う努力をしましょう。障がいへの配慮においても、どのような配慮が必要かといった具体的な説明をすると同時に、これまでの経験から、譲歩できる部分があるならその点も明確にしておきましょう。そうすることで、障がい者採用への取り組みが消極的な企業であっても検討の余地が生まれ、採用の可能性を高めることになります。
障がい者の転職における30代でアピールすべきスキル ~得意とする業務分野、マネジメント経験やその意欲~
30代の転職に必要なことは、やる気のアピールよりも具体的な職業経験のエピソードといえます。応募先が前職や現職と同じ職種であれば、経験・知識を活かし「即戦力になれます」というアピールがしやすいことは事実です。しかし、前職へのこだわりや障がいを理由に自ら業種や職種を限定してしまうと、思うような求人が見つからないということにもなりかねません。視野を広く持ち、それまでの実務経験や、身に付けたスキルをどのように活かすかを考えていきましょう。
例えば、経理や財務の仕事をしていたのであれば数字に強いというアピールをすることで、営業支援や経営企画といった部門での採用の可能性も広がります。WEBデザインを専門にやってきたという人も、クライアントとの折衝やチーム全体のディレクションなどの経験があれば、それらの経験も自分のスキルとしてアピールすることができます。大切なのは、採用担当者に「このスキルがあれば、この部門で活躍してもらえそうだ」「こういう経験の持ち主ならこの部署の仕事が任せられるだろう」といった可能性を感じてもらうことです。
さらに、障がいの有無にかかわらず30代になると新入社員や若手の教育など、リーダーシップやマネジメント能力を期待されることも多くなるでしょう。役職に就いたことがなくても、後輩の指導や育成をした経験、プロジェクトの責任者を務めた経験があれば、そこでどのような取り組みをし、どのような成果が得られたかをまとめておくとよいでしょう。実務で得た経験や知識を、今後の仕事に活かしていきたいという意欲を示すことで、「リーダーとしての活躍が期待できる」と思わせることが大切です。
忘れてならないのは、30代はまだキャリアの途上であるということです。「即戦力としてのスキルはあるが、これ以上成長しそうにない」と思われれば、採用にはつながりません。採用面接では、経験やスキルをアピールすることだけに終始せず、成長への意欲、自ら学ぶ姿勢を持っていることも伝えていきましょう。
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