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転職活動コラム

視覚障がい者の雇用実態とは?等級とキャリア形成について考えてみる

2020.06.03
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視覚障がい者の雇用実態を知る

障がい者の雇用状況をみてみると、厚生労働省が発表した「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」では、45.5人以上規模の民間企業で雇用されている障がい者の数は56万608.5人で16年連続過去最高でした。この数字を、障がい内容別に詳しくみると、身体障がい者が35万4134.0人(対前年比2.3%増)、知的障がい者が12万8383.0人(同6.0%増)、精神障がい者が7万8091.5人(同15.9%増)となっています。この発表から、雇用者が最も多いのは身体障がい者で、その割合はおよそ6割を占めることが分かります。雇用が進んでいる理由の一つには、1976年に創設された雇用率制度によって、他の障がいよりも先に法定雇用率の算定基準の対象になったことが考えられます。一方で、「身体障がい者」という括りの中でも、障がい内容はさまざまで、視覚障がいや聴覚・言語障がい、肢体不自由(上肢、下肢、体幹、運動機能)、内部障がいなどがあります。

では、身体障がい者の中でも、障がい内容によって、就職率の違いがあるのでしょうか。厚生労働省が2019年6月に発表している「平成30年 障害者の職業紹介状況等」によると、ハローワークを通じた障がい者の就職件数は10万2318件、そのうち身体障がい者は2万6841件でした。では、障がい内容別の内訳をみてみます。

【就職件数】

  • 視覚障がい:2040件(うち重度1167件)
  • 聴覚、言語障がい:4208件(うち重度2333件)
  • 肢体不自由:1万3800件(うち重度3224件)
  • 内部障がい:6793件(うち重度4372件)

この状況から、身体障がいの中でも視覚障がい者の雇用が、他の障がいよりも進んでいないことが伺えます。今回は、その視覚障がいについて考えていきます。

データからみる視覚障がい者の雇用状況

視覚障がい者の雇用実態を知るにあたり、まずはそのデータをみていきます。ハローワークを通じた就職件数については、上記の通りでした。次に、就職先の職業にはどのようなものがあるかみてみましょう。厚生労働省障害者雇用対策課から、日本盲人会連合に対して提供された、2018年度のハローワークにおける視覚障がい害者の職業別就職状況は以下です。

  1. 専門的・技術的職業:975件(47.8%)、うち重度754件(64.6%)
    専門的・技術的職業の主な内訳は次の通り。
    ●あんま・鍼・灸・マッサージ802件(39.3%)、うち重度647件(55.4%)※802件中、ヘルスキーパーは69件(3.4%)、うち重度57件(4.9%)
    ●福祉施設指導専門員(機能訓練指導員等)72件(3.5%)、うち重度47件(4.0%)
    ●理学療法士19件(0.9%)、うち重度13件(1.1%)
    ●その他82件(4.0%)、うち重度47件(4.0%)
  2. 運搬・清掃等の職業:383件(18.8%)、うち重度140件(12.0%)
  3. 事務的職業:301件(14.8%)、うち重度135件(11.6%)
  4. サービスの職業:222件(10.9%)、うち重度90件(7.7%)
  5. 生産工程の職業:63件(3.1%)、うち重度24件(2.1%)
  6. 販売の職業:38件(1.9%)、うち重度13件(1.1%)
  7. 保安の職業:26件(1.3%)、うち重度5件(0.4%)
  8. 農林漁業の職業:18件(0.9%)、うち重度5件(0.4%)
  9. 輸送・機械運転の職業:12件(0.6%)、うち重度1件(0.1%)
  10. 建設・採掘の職業:2件(0.1%)、うち重度0件(0.0%)
  11. 管理的職業:0件(0.0%)、うち重度0件(0.0%)

職業別では、専門的・技術的職業、特にあんま・鍼・灸・マッサージに従事している方がおよそ半数を占めています。その他、オフィスでの事務職を行う事務的職業は約1/4にあたる14.8%でした。

具体的な仕事例

視覚障がい者が従事する職業として以前から多いのがで、以前から多くの方が従事しているのが、あんま・鍼・灸・マッサージなどです。視覚に障がいがある方には、手足の感覚が優れている方が多い傾向にあるようで、その感覚を活かせる職業といえるでしょう。これらの仕事は日本の視覚障がい者にとって伝統的な仕事でもあり、明治時代には、盲学校などにおいて教育プログラムの一つとなっていた事実もあります。また近年では、企業に就職し、従業員に対してマッサージや鍼、灸を行うヘルスキーパーとして従事する方も多く、活躍の場は以前よりも幅広くなっているようです。その他、事務的な職業においては、音声読み上げソフトや画面表示拡大ソフトなどの使用、画面の明るさ調整を行うなどして、PCを使った業務も増えているようです。

視覚障がい者の等級とキャリア形成

あんま・鍼・灸・マッサージなど、資格を活かして自身の得意なことを仕事にすることができたり、同じ障がいのある方がすでに在籍しているなど、職場環境が整っている企業で働く場合、安心して長く勤務することができるでしょう。これは、障がいの有無にかかわらず、キャリアを形成する上でも大切なポイントと言えます。自身の得意なことは何か、また、働きやすい職場はどういう環境なのかを知るためにも、まずは、障がいに対する理解を深め、自分自身について知ることが大事です。

視覚障がい者の等級

まずはそれでは、視覚障がいの等級に関して、詳しくみていきましょうその内容に触れていきます。

  • 【1級】両眼の視力(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については、きょう正視力について測ったものをいう。以下同じ。)の和が0.01以下のもの
  • 【2級】
    1:両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの
    2:両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの
  • 【3級】
    1:両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
    2:両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上のもの
  • 【4級】
    1:両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの
    2:両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの
  • 【5級】
    1:両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの
    2:両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
  • 【6級】一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので両眼の視力の和が0.2を超えるもの

このように視覚障がいの中でも等級によって、見え方はさまざまです。

得意なこと不得意ことの整理

次に、日常生活等における具体的な見え方や、どんな点に難があるか遂行が難しい内容などをみてみます。内容については、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害の種類・等級別にみた障害の特徴」を参考にしています。

  • 【1級】歩行に視覚を使用することが困難で、白杖が必要になります。なお、1級の中でも、明るさが分かるか(明暗弁)、動きが分かるか(手動弁)、また、粗大な形が分かるか(指数弁)、の違いがあります。指数弁では、視覚を手がかりとした日常生活が可能であり、手動弁でも動きについて、また、明暗弁でも明るさについて、視覚による把握が可能で、全く視覚が失われた全盲とは異なります。しかし、いずれも拡大鏡、拡大映像設備等の補助具を使用しても読書や視覚に頼った作業が困難で、読書では点字や音声に頼ることが多いようです。
  • 【2級】視覚障がい、視野障がい ともに、白杖を用いずに障がい害物を避けて歩くことができ、日常生活にも物を扱うなど視覚を用いることができる場面が多いようです。視力障がいの場合、補助具を使用しても読書や視覚に頼った細かい作業が困難で、読書には点字や音声に頼ることになります。視野障がいの場合には、見える範囲はおよそ、ディスプレイ画面の直径10cm内の40%程度。しかし拡大鏡、拡大映像設備等を用いれば新聞等を読むことができます。
  • 【3級・4級】拡大機などなしでは、新聞を読むことに困難が生じる視力レベルですが、拡大機などの使用によって新聞などを不自由なく読むことができるようです。3級の視野障がいの場合には、一度に見ることできる範囲が、ディスプレイ画面の直径10cm内の70%程度。拡大機などの使用によって新聞などを不自由なく読むことができます。また、4級の視野障がいの場合には、ふつうにコンピューターのディスプレイ画面を見る場合には、直径5cmくらいの範囲を一度に見ることができ、2m離れれば人の顔の全体を見ることができます。なお、ぼんやりと全体的に見る程度であれば、見ることのできる範囲は広がります。
  • 【5級、6級】矯正視力で近くのものを読んだりすることには問題のない視力レベルですが、駅の時刻表や料金表を読むなどの細かさになると支障が生じます。5級の視野障がいの場合には、ふつうにコンピューターのディスプレイ画面を見る場合には、直径10cmくらいの範囲を一度に見ることができ、1m離れれば人の顔の全体を見ることができます。なお、ぼんやりと全体的に見る程度であれば、見ることのできる範囲は広がるようです。

キャリア形成の仕方に関して

障がいへの理解や自身のことを知ることができたら、キャリアについて考えてみましょう。キャリアを考える際には、障がいの有無にかかわらず、「将来的にどうなりたいか」「今の自分に何ができるか」「その将来を実現するために何が必要か」などをポイントに考えると良いでしょう。また、将来に実現したいことがイメージできたら、それをいつまでに実現するのか具体的にすることで、キャリアプランニングに繋がります。2年後、5年後、10年後など区切りを設定し、それまでにどうなっていたいのか、何を達成したいかを考えることが大切です。

転職活動における留意点と活用できるサービスに関して

自身のに能力を活かして大いに挑戦することや、安心して長く働くこと、将来を考えながら仕事を通して成長していくこと、など、一人ひとり仕事への向き合い方はさまざまですが、企業との相互理解を深め自身がお互いに理解し合い、しっかりとマッチングした上で就職できることが重要です。そのためにも、転職活動においては、求人を探す際や選考の段階から、ポイントを押さえておく必要があるでしょう。オフィスはバリアフリーなのか、時差出勤はできるのかなど、企業が対応できる障がいへの配慮を確認したり、可能な場合はOBOG訪問をするなど、活動中からさまざまな情報を収集し、企業理解を深めていきましょう。

その上で、豊富な情報が揃うハローワークや、希望の条件から検索可能な転職サイト、アドバイザーによるサポートがある転職エージェントなど、活動方法もさまざまにあるので活動の幅を狭めず、いろいろな可能性を広げて進めることもポイントになるでしょう。

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