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転職活動コラム

障がい者就労支援とは

2020.04.22
障がい者業界のコト

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全国各地にあるハローワークではさまざまな就労支援を実施

 障害者の就労支援はさまざまな機関が関わり、複数の制度を利用して行われています。そして各機関が障がい内容や状況に応じて最善の方法を選んで、障がい者が就労できるように支援しています。そこで、障がい者の就労支援にはどのようなものがあるのか、主な公的機関や制度を取り上げていきます。

 まず、多くの障がい者の就職支援をしているのが公共職業安定所(以下、ハローワーク)です。ハローワークは全国に544カ所(令和元年度時点)ある国内最大の職業紹介所で、障がい者の就職支援にも力を入れています。「平成30年度 障害者の職業紹介状況等」によると、ハローワークに依頼があった平成30年度の障がい者の新規求職申込件数は211271件、就職件数は102318件に上っています。こうした実績から考えても障がい者の就職において、重要な役割を担っている機関といえるでしょう。

 ハローワークを利用するには、まず求職者登録を行います。登録者に対して、専門の職員・職業相談員がケースワーク方式により、障がいの様態や適性、希望職種などに応じ、きめ細やかな職業相談、職業紹介、職場適応指導などを実施しています。また、ハローワークでは全国の求人情報を網羅した「ハローワークインターネットサービス」を開設し、その中に「障害者求人情報検索」を設けて障がい者の就職活動を支援しています。このサービスは様々な検索機能があり、地域、働き方、事業所名、職種、年齢などの条件検索をすることができます。

ハローワーク以外にもある地域の公的な就労支援機関

 ハローワークの他にも障がい者の就労を支援する公的機関があります。主な機関に「地域障害者職業センター」と「障害者就業・生活支援センター」があります。まず「地域障害者職業センター」は、ハローワークなどの地域の就労支援機関と密接な連携のもと、障がい者に対する専門的な職業リハビリテーションを提供する施設として全国47都道府県(他支所5カ所)に設置されています。障がい者のニーズに応じて、職業評価や職業準備支援などの各種支援を実施しています。

 「職業評価」では、就職の希望などを把握した上で、職業能力なども評価して、それらをもとに就職して職場に適応するために必要な支援内容・方法などを含めた職業リハビリテーション計画を策定しています。「職業準備支援」は、ハローワークにおける職業紹介、ジョブコーチ支援などの就職に向かう次の段階に着実に移行させるため、センター内での作業体験、職業準備講習、社会生活技能訓練を通じて、基本的な労働習慣の体得、作業遂行力や職業能力の向上、コミュニケーション能力・対人対応力の向上を支援しています。

 そして「障害者就業・生活支援センター」では、障がい者の身近な地域において、雇用、保健福祉、教育などの関係機関の連携拠点として就業面および生活面における一体的な相談支援を行っています。就業面での支援では、就業に関する相談支援から、就職に向けた準備支援(職業準備訓練、職場実習あっせん)、就職活動の支援、職場定着に向けた支援などを提供しています。

 このように各地域で「ハローワーク」「地域障害者職業センター」「障害者就業・生活支援センター」によって障がい者の就労支援が行なわれていますが、各機関の単体活動のみならず、連携をとりながら支援活動するケースも数多くあります。こうした地域の公的支援機関を利用することで就職先の選択肢が広がると共に、各種支援を受けることで就業に対する不安の払しょくなどにも大きな効果があると考えられます。

ジョブコーチやトライアル雇用など各種支援制度

 支援機関だけでなく障がい者が就労できるようにする支援制度もあります。その代表的なものがジョブコーチ制度です。この制度は、職場適応援助者(ジョブコーチ)が出向いて、障がい特性に合わせて専門的な支援を行い、障がい者の職場適応・定着を図ることを目的としています。

 ジョブコーチには「配置型ジョブコーチ」「訪問型ジョブコーチ」「企業在籍型ジョブコーチ」の3種類があります。まず「配置型ジョブコーチ」は地域障害者職業センターに配置するものです。就職等が困難な障がい者を重点的な支援対象者として自らが支援するほか、訪問型ジョブコーチや企業在籍型ジョブコーチと連携して支援することもあります。「訪問型ジョブコーチ」とは、障がい者の就労支援を行う社会福祉法人などに雇用されているジョブコーチ、「企業在籍型ジョブコーチ」は障がい者を雇用する企業に雇用されているジョブコーチです。

 専門的な知識を身につけたジョブコーチが、事業主には障がい特性に配慮した雇用管理の助言や配置、職務内容の設定に対する助言を行い、障がい者には作業遂行力の向上支援、職場内コミュニケーション能力の向上支援、健康管理、生活リズムの構築支援などを行います。こうした様々な支援を通して障がい者が働きやすい環境をつくり、障がい者雇用の促進や職場定着に貢献しています。

 ジョブコーチと同じように、障がい者雇用の促進を図るための制度が「障害者トライアル雇用」です。こちらはハローワークなどの紹介により、障がい者を事業主が試行雇用(トライアル雇用=原則3か月)の形で受け入れることにより、障がい者雇用についての理解を促し、試行雇用終了後に常用雇用への移行を進めることを目的にしています(関連記事:「障害者 トライアル雇用」とは何か?)

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