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転職活動コラム

手帳なしで障害者雇用に応募できる?働き方の選択肢や活用できる支援制度

2026.04.03

「障害者手帳を持っていないと障害者雇用に応募できないの?」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

障害者手帳がない方でも、自分らしく働くためのさまざまな選択肢が広がっており、新たなキャリアを諦める必要は決してありません。

この記事では、障がいがあり就職・転職を目指す方に向けて、障害者雇用の仕組みや働き方の選択肢、手帳がなくても利用できる支援制度などをまとめました。

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障害者手帳なしで「障害者雇用」枠に応募できるのか

障害者手帳を持っていない方は、障害者雇用枠に応募して働くことはできません。

障害者雇用は、障がいのある方が能力や適性を十分に活かして、その特性に応じて活躍できる社会を実現するための雇用制度です。障害者雇用促進法に基づき、企業には労働者の2.5%に相当する障がい者の雇用が義務づけられています。

企業が障害者雇用枠での就業者数を正しく算定・申告するために、客観的な証明としての障害者手帳が必要となります。

▼一般雇用・障害者雇用の就労条件

一般雇用 障害者雇用
障害者手帳の有無にかかわらず、企業の募集条件を満たせば応募可能 障害者手帳を保有している方のみ応募可能

なお、障害者手帳とは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類を指しており、それぞれ交付の対象者や認定要件が異なります。

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出典:厚生労働省『障害者手帳』『障害者雇用のご案内

 

障害者手帳がない方の就労の選択肢

障害者手帳がない場合は、基本的には「一般雇用」での就職を目指すことになります。一般雇用では、障がいの有無について事業者に伝える義務はないため、自身の特性を公表する「オープン就労」と公表しない「クローズ就労」を選択できます。

オープン就労を選択する場合

オープン就労は、自身の障がいや特性を企業に伝えたうえで働くスタイルです。

2024年4月からは、手帳の有無にかかわらず企業による障がい者への「合理的配慮」が義務化されたことで、働くうえで必要な配慮について対話を依頼しやすくなっています。

ただし、障がいを公表することでキャリアの選択が制限されたり、周囲からの理解が十分でない場合に心理的な負担を感じたりすることもあります。

▼オープン就労のメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 合理的配慮を受けやすい
  • 周囲に支援をお願いしやすい
  • 障がいを隠すストレスをなくせる
  • 応募できる求人が少なくなりやすい
  • 人事評価によるキャリアアップの機械が限定される可能性がある
  • 障がいへの理解が得られない従業員がいる場合がある

なお、合理的配慮は「障がいのある方の要望にすべて対応する」ということではありません。必要な配慮や支援は、その人の障がいやバリアとなる環境・場面によって異なるため、企業との対話を通じて現実的に実現できる対応案を考えていく必要があります。

クローズ就労を選択する場合

クローズ就労は、障がいや病気を企業に伏せて働くスタイルです。一般の求職者と同じ条件で選考を受けられますが、通院や体調の波などに関する周囲の理解を得られにくいため、「無理をして働き続けてしまう」といった問題が生じることもあります。

▼クローズ就労のメリット・デメリット

メリット デメリット
  • フラットな条件で選考を受けられる
  • 障がいによる先入観を持たれず、能力や実績で評価してもらいやすい
  • 苦手なことを個人の能力不足やミスと捉えられやすい
  • 無理のある働き方で体調を崩してしまう可能性がある

障がいの影響が業務にほとんど及ばない場合や、自分自身で症状や体調をコントロールできている方にとって、クローズ就労はキャリアアップを目指せる働き方といえます。

しかし、同僚や上司に障がいを伏せたまま働くと、「急な休みや業務調整をお願いしづらい」「不得意なことを厳しく評価される」など精神的な負担を招くことも考えられます。

自身の障がい特性や伏せたいと思う理由、働くうえでの身体的・精神的な負担のバランスを冷静に見極めることが大切です。

出典:厚生労働省『令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました

 

障害者手帳のない方が直面しやすい就労の悩み

障がいがあるけれど手帳を持っていない方は、一般雇用で就職するにあたってさまざまな悩みに直面することがあります。

障がいについて話すべきか判断に迷ってしまう

一般雇用の求人に応募する際に、障がいについて話すべきか(オープンまたはクロースにするか)の判断に迷ってしまう悩みです。

「障がいがあることで不採用になるのではないか」「能力を正当に評価してもらえないのではないか」など、選考への影響を懸念して立ち止まってしまう方も少なくありません。

また、障がいへの理解がある企業なのか入社前に判断することは難しく、勇気を出して伝えても真摯に向き合ってもらえないことへの不安から、開示を躊躇する方もいます。

障がいの程度について説明が難しい

障害者手帳を持っていない方は、障がいの内容や程度を客観的に示すことが難しく、企業に理解してもらうことに難しさを感じることがあります。

悩みに直面しやすい場面には、以下が挙げられます。

  • 「得意なこと」「できること」などの強みのアピールが難しい
  • 障がい特性への理解を得られず、能力不足や怠慢と思われてしまう

特に目に見えにくい障がいについては、障害者手帳がないことで「困りごと=個人のわがまま」と捉えられてしまう場合があります。周囲からの十分な理解やサポートを受けられない状態で入社すると、早期離職を招きかねません。

配慮をお願いすることに負い目を感じてしまう

障がいのある方が一般雇用で働くにあたって精神的な負担となりやすいのが、「配慮をお願いしづらい」という悩みです。

業務の配置調整や通院による早退などをお願いする際に、「わがままと思われるのではないか」「周りに迷惑をかけているのではないか」と負い目を感じてしまう方もいます。

特に障がいを伏せてクローズ就労を選ぶ場合には、「周りの期待に応えなければ」「無理をしても張らなくては」というプレッシャーがストレスになることもよくあります。

 

一般雇用での就職を目指す方が実践したい3つのこと

障害者手帳を持たずに一般雇用での就職を目指す方は、自分の強みやスキルを分かりやすくアピールすることや、説得力のある配慮の求め方が必要となります。

ここからは、就職・転職活動で実践したい取り組みを紹介します。

①セミオープン就労を検討する

「障がいを完全に隠す(クローズ)」か「全員に伝える(オープン)」かの二択ではなく、その中間となる「セミオープン就労」という選択肢があります。

セミオープン就労とは、採用担当者や直属の上司、人事労務担当者などの一部の人だけに障がいの事実を伝える働き方です。

「部分的な配慮を受けたいけれど、障がいの開示は最小限の範囲にとどめたい」という方は、セミオープン就労を検討してみることも一つの方法です。

▼セミオープン就労のメリット

  • 通院や体調不良時の休暇調整について事前に企業の理解を得られる
  • 特定の人のみ開示することでプライバシーが保たれる
  • 障がいを隠し続ける精神的なストレスから解放される など

②主治医の診断書・意見書を活用する

自身の困りごとを単に「性格の問題や努力不足」と誤解されてしまわないように、主治医の診断書や意見書を活用して客観的な根拠を示す方法があります。

特に見た目からは症状が分かりにくい内部障がいを持つ方は、採用担当者に主治医の診断内容を提示することで、障がいの種類や程度を理解してもらいやすくなります。

また、「特定の作業は避けるように指示されている」「長時間の移動や立ち姿勢は○○の症状を引き起こすリスクがある」など医学的な意見を添えることで、合理的配慮について調整をお願いしやすくなります。

③ナビゲーションブックを作成・提出する

ナビゲーションブックは、障がいのある方が自身の特性や職場に求める配慮事項などをまとめた説明書です。選考を受ける際に作成・提出することで、以下のメリットがあります。

▼ナビゲーションブックを作成するメリット

  • 採用担当者が業務適性や配慮への対応可否を正しく判断できる
  • 上司・管理者が職場の環境づくりや指示方法に配慮しやすくなる

障がいによる困りごとだけでなく、「その仕事で自分のスキルをどう活かせるか」「配慮を受けることでどのようなパフォーマンスを発揮できるか」といったポジティブな視点で強みをアピールすることが重要です。

▼ナビゲーションブックに記載する項目例

項目 記載する内容
障がい特性 障がいによって困りごとが生じる具体的な場面、できない・不得意なこと、就業における制限の内容 など
自身の強み・スキル 得意とする作業、過去の就業経験や職業訓練で培った知識・技術、保有するスキル(PC操作や英語など) など
自身の対処法 困ったときに行っていること、症状や体調の波をコントロールするための工夫、能力を発揮するための準備や環境整備 など
配慮事項 通勤負担の軽減、通院との両立支援、就労上の制限に伴う業務調整、業務指示の出し方、作業環境の整備 など

 

手帳なしでも利用できる障がい者の就職支援制度

障害者手帳を持っていなくても、障がいのある方の就職を支援するさまざまな制度を活用できます。一人での就職・転職活動に不安を抱える方は、専門的な知見を持つ人に相談してみることが大切です。

障害者職業センター|就職相談や準備に関する支援

障害者職業センターは、各都道府県に設置されている障がい者の就業を専門的にサポートする機関です。地域のハローワークと連携して、一般企業で働くための基本的な能力を身につける職業リハビリテーションが無料で提供されています。

▼障害者職業センターの主な支援内容

  • 職業相談・適性や能力の評価
  • 作業体験やコミュニケーション訓練などの職業準備講習の実施
  • 求職中の障がい者の職場復帰の支援
  • ジョブコーチ(職場適応援助者)による職場定着支援 など

「自分に向いている職種や働き方が分からない」「職場実習を行ってから自分に合った仕事を見極めたい」といった方に適しています。

就労移行支援|一般雇用の就労に向けた職業訓練

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方を対象とした通所型の福祉サービスです。

障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書・意見書で申請できる自治体の「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けることで利用できます。

▼就労移行支援の主な支援内容

  • ビジネスマナーや挨拶、身だしなみなどの基礎の習得訓練
  • PCスキルや軽作業、コミュニケーション能力などの個別訓練
  • 求人検索や応募書類の添削、面接練習などの就職活動のサポート
  • 企業での職場体験実習の機会提供
  • 就職後の定期面談・職場訪問などによる定着支援 など

働くための基礎づくりから就職活動まで二人三脚で進められるため、就業経験が少なく不安な方や、体調を整えながら就労に向けたリズムを作りたい方に適しています。

就労継続支援(A型・B型)|能力に応じた就労機会の提供

一般雇用での就職が難しい場合には、障害福祉サービスの一種となる「就労継続支援」を通じて就労または社会参加の機会を得る方法もあります。

就労継続支援には、雇用形態や報酬条件が異なるA型とB型があり、自身の就業能力に合わせて無理のない働き方を選択することが可能です。

▼就労継続支援A型・B型の概要

就労継続支援A型 就労継続支援B型
雇用契約 あり(最低賃金が保証) なし
報酬 給与(労働の対価) 工賃(作業への謝礼)
対象者 一般就労は難しいが、雇用契約に基づく勤務が可能な方 A型での勤務が困難な方、体調に波が出やすい方など
雇用保険 加入あり 加入なし
社会保険(健康保険、厚生年金保険) 加入あり

(一定条件を満たす必要あり)

加入なし

企業と雇用契約を結んで働くA型では、雇用保険や社会保険(一定の条件あり)への加入が可能です。最低賃金以上が保証されるため、収入も安定しやすくなります。

一方のB型は、雇用契約を結ばずに作業に対する工賃を受け取る働き方です。自分のペースで短時間から働くことができますが、雇用保険や社会保険の加入はできません。

 

長く安定して働くために手帳の取得も視野に入れよう

「一般雇用では働くことが難しい」「より手厚い配慮を受けたい」という方は、障害者手帳の取得を検討することも一つの方法です。

障害者雇用には、障がいのある方が能力を発揮してキャリアを築ける環境が整っています。具体的なメリットには、以下が挙げられます。

▼障害者雇用のメリット

  • 多様な障がいに配慮したタスクや役割が用意されている
  • 通院との両立や休憩時間の調整など手厚い合理的配慮を受けられる
  • 障がいのある方と主に働けるため、心理的な孤独を感じにくい など

障害者手帳は、安定して長く働き続けるための選択肢を増やす手段となるため、前向きに取得を検討されてはいかがでしょうか。

 

まとめ

障害者雇用に応募するには、障害者手帳の取得が必須です。しかし、一般雇用枠であってもセミオープン就労の選択やナビゲーションブックの活用などによって、自身のキャリアを切り開く道があります。

「自分の適性や能力をどのような業務に発揮できるか」「就労上の制限や配慮の程度はどれくらいか」など、自身の状況を踏まえて最適な就労方法を見つけることが大切です。

自分に合った働き方や職種が分からない方や、配慮事項の交渉を伝えにくいという悩みをお持ちの方は、障害者雇用に強い転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

エージェント・サーナ』は、長年にわたって障がいのある方の就職・転職をサポートしてきた豊富な実績があります。手帳をお持ちの方から取得を検討されている方まで、一人ひとりの特性や希望に寄り添い、安心して一歩を踏み出すためのサポートをいたします。

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