転職活動を行うスタイル
転職活動のスタイルによるメリット・デメリット
転職活動を行うにあたって、現在の仕事を辞めてから活動する方法と、辞めずに活動する方法の二つの選択肢があります。基本的には在職中、退職後で選考基準が変わるわけではありませんし、採否が決まるわけでもありませんが、それぞれにメリット・デメリットがあるので、比較してみましょう。
●退職後に転職活動を行う場合
【メリット】
・所定の手続きで、失業手当や再就職手当などが受けられる。
・心身をリフレッシュし、自分を見直す時間が取れる。
・通学や講座受講などで新たなスキルや資格を取得できる。
・時間に余裕があるため、志望企業の情報収集や書類作成などに専念できる。
・スケジュール的に転職活動を最優先できるため、複数の面接などにも対応しやすい。
【デメリット】
・収入が途絶えるため、生活費等の貯蓄が必要。
・活動が思うように運ばないと希望条件の妥協が生じる。
・不採用になったときのストレスが大きい。
・失業期間が長引くと採用担当者にブランク期間で行ってきたことを具体的に説明する必要が出てくる。
・自己管理が疎かになり、不規則な生活になりやすい。
●在職中に転職活動を行う場合
【メリット】
・収入が途切れないため、生活面の心配がない。
・社員寮や借り上げ社宅からの引越しなど、計画的な転職ができる。
・妥協せず、希望の条件に合う企業を探すことができる。
・職歴にブランクが空かない。
【デメリット】
・業務と並行するため書類作成や情報収集などの時間が取れない。
・時間が限られ、面接日などの時間調整に苦労する。
・入社予定日が明確になっていないため、早期入社を望む応募先の場合は選考で不利になることもある。
・新しいスキルや資格を取る時間を作るのが大変になる。
・短期間で引き継ぎや入社手続きを行う必要がある。
志望分野の条件や現職の業務状況など、退職後に始めるか、在職中に始めるかは人によって異なります。
たとえば、「無収入になると生活できない」「会社の寮に住んでいる」という人は、在職したまま活動せざるを得ないでしょう。一方、「業務が多忙で在職したまま転職活動をする時間がない」「志望分野に進むため短期集中で技能を身につける必要がある」という人なら、先に辞めるほうが転職活動に集中できるはずです。もちろん失業状態に陥ることを恐れて、在職したまま活動する人が増える傾向にありますが、多少のリスクを覚悟しても、転職目標の達成を第一に考えれば先に辞めた方が良いこともあります。転職時のブランクを“失業”と考えるか、“準備期間”と考えるかは人それぞれです。各人が望む条件に合わせて自分の転職スタイルを決めましょう。
在職しながら転職活動を行う際のポイント
先にデメリットととして挙げたように、在職しながら転職活動を行う上ではいくつかの悩みが出てきます。そこで、在職中の転職活動を進める際のポイントについて見ていきましょう。
●働きながら転職を進める際のスケジュール
スムーズに転職活動を行うためには、基本的なスケジュールを知っておきましょう。
一般的に、転職活動には3~6カ月ほどかかると言われています。その間に、
自己分析
情報収集(企業研究)
書類作成
応募・選考(面接)
内定・退職願提出
引継ぎ・退職
と、いくつものことを普段の仕事と並行して進めていかなければいけません。そのため、気が付けば「時間だけが経過していた」なんていうこともあり得ます。まずは計画を立て、そのスケジュールに沿って転職活動を行うことがスムーズに進めるためのポイントです。
●今の会社に内緒で転職活動を行う際のポイント
まだ辞めると決めていないのに転職活動をしているのが会社に知られてしまうと、社内に居づらくなってしまったり、予定より早く退職の話が進んでしまうかもしれません。そうならないためにも、在職中に転職活動をする際には以下のようなことに気をつけましょう。
<注意点!>
・転職サイトの閲覧など、情報収集に会社のPC、メールアドレスを使わない。
社用パソコンはセキュリティ保持のためにアクセスしたページを保存していることがあります。
何かの機会でログを見られた際にバレてしまうのはもちろん、転職サイトを見ていたらたまたま上司が後ろを通る可能性もあります。
・面接時と普段の服装の差を減らす
普段はカジュアルな服装がOKの会社で働いている場合、面接がある日にスーツを着ていくなど、いつもと違う服装をしているのが続くと、不審に思われることもあります。「スーツを着た日は早く帰る」などと疑われないためにも、普段からスーツを着る回数を増やしたり、面接前に着替えるなど、普段と面接時の服装の差を埋めることが大切です。
●在職中の転職を成功させるポイント
在職中の転職活動で起きる問題を解決して、転職成功をめざすために、以下のようなポイントが挙げられます。
・有給休暇、午前休・午後休などを使い分ける
面接などの時間を確保するために、利用できる休暇制度はすべて活用する必要があります。
・転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用することで、企業を探して応募するまでの時間、面接日の調整など、時間短縮につなげることができます。
・引継ぎ資料の作成など準備を進めておく
退職に向けては、引継ぎ資料などを少しずつまとめておきましょう。退職日が決まってからだと、慌てて作成することにもなります。スムーズに引継ぎを行い、円満に退職するためにも、事前に準備をしておきましょう。
働きながら転職活動をするためには、いかに限りある時間を有効的に使うかが大切なのです。