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転職活動コラム

障害者雇用での配慮事項の書き方。基本の記載項目や採用担当者に伝えるポイント

2025.09.24

障害者雇用において企業の選考を受ける際には、履歴書や職務経歴書に配慮事項を記載する必要があります。就職・転職活動を進める方のなかには「配慮事項には具体的に何を記載するのか」「どのような伝え方をするとよいのか」など悩む方も多いのではないでしょうか。

障害者雇用の配慮事項は、企業との相互理解を深めて、安定して働きやすい環境を整えてもらうために欠かせない情報となるため、明確かつ分かりやすく記載することが重要です。

この記事では、配慮事項を書くための準備や基本的な記載事項、採用担当者に伝える際のポイントについて具体例とともに解説します。

障害者雇用における配慮事項とは

障害者雇用では、障害者雇用促進法に基づき、障がいを持つ方に対して合理的配慮を提供することが企業に義務づけられています。合理的配慮とは、障がいのある方が安全に安定して働けるように、企業が業務内容や職場環境などを調整することです。

▼合理的配慮の具体例

  • 通勤の負担がある下肢障がいの方の在宅勤務を認める
  • 車いす利用者のために作業場所のバリアフリー環境を整備する
  • 手が不自由な方のためにタッチ式ディスプレイや自動ドアを導入する など

働くうえで必要になる配慮事項については、履歴書や職務経歴書に記載します。ただし、障がいの特性や職場の状況によって必要な配慮は異なることから、企業と応募者がよく話し合って決める必要があります。

出典:厚生労働省『障害者雇用のご案内

 

自身の障がい特性を深く理解することが重要

配慮事項を記載する前に、まず自身の障がい特性を深く理解することが重要です。

同じ障がいを持つ方でも、症状や能力、身体活動の制限などは人によって異なります。仕事において生じる支障や困りごとも違うため、配慮事項が抽象的になってしまうと企業が受け入れを判断しにくくなります。

配慮事項を記載する際には、障がいそのものの内容だけでなく「その障がいが仕事にどう影響するか」「どうすれば課題を解消できるか」を明確にすることが大切です。

自身の障がい特性を理解するために、以下の3つのステップを実践しましょう。

➀難しいこと・苦手なことを整理する

障がいによって難しいこと・苦手なことを整理します。日常生活やこれまでの仕事で「難しいと感じたこと」や「失敗・ミスが起きてしまったこと」などを振り返り、障がいの内容を言語化することが必要です。

▼整理しておくこと

  • 身体的な動作の制限
  • 日常生活での制約
  • スムーズに対応できない作業
  • ストレスを感じる内容
  • 体調不良につながる要因 など

②仕事への支障や影響が発生する状況をまとめる

難しいこと・苦手なことを整理したら、それが原因で仕事への支障や影響が発生する状況を具体的にまとめます。「どのような業務の遂行が難しいのか」「どのようなシチュエーションで困りごとが生じるか」を考えることがポイントです。

▼【具体例】仕事への支障や影響につながる状況

  • 複数のタスクを依頼されると優先順位付けができない
  • スピードのある会話では内容を聞き取れず発言の機会を逃してしまう
  • 階段の昇降や立ち姿勢が負担となり、頻繁な移動や物を運ぶ業務が難しい など

③自分で対処ができること・できないことを区分する

障がいによる仕事への支障や影響について、自分で対処できること・できないことを区分します。企業の適切な配慮やサポートがなければ対処できないことは、配慮事項として履歴書や職務経歴書に記載する必要があります。

この区分を明確にしておくことで、「課題を解消するためにどのような手段が必要になるか」を検討しやすくなり、企業に求める配慮を明確に伝えられます。また、自分で対処できることについては、自己管理能力を示すアピールとしても効果的です。

 

履歴書や職務経歴書への配慮事項の書き方

配慮事項を記載する際は、企業が応募者の状況を正確に把握して適切な配慮を検討できるように、簡潔かつ具体的に書くことが大切です。

ここでは、配慮事項に含める基本的な項目とそれぞれの書き方を紹介します。

業務内容・業務量の調整

業務内容や業務量に関する希望を記載します。業務を遂行するうえで必要な支援機器やツール、タスクや作業環境を調整してほしい業務など、障がいがあっても無理なく働けることを伝える必要があります。

▼書き方の具体例

  • PC入力は問題なく行えますが、電話対応は難しいため、対応のフォロー体制を整えていただけますと幸いです。
  • 音声入力ソフトや片手用キーボードを使用すれば問題なく業務を遂行できます。
  • 座り仕事が中心の業務であれば体力や集中力を維持できます。

勤務時間・休憩時間の調整

安定して働ける勤務時間や休憩時間を記載します。

身体的な負担や体調不良を避けるために無理なく働ける時間や休憩をとりたい頻度、残業に関する要望など、どのような働き方を求めているか具体的に記載する必要があります。

▼書き方の具体例

  • 満員電車での通勤では息苦しさを感じるため、時差出勤を希望します。
  • 疲れやすいため、1時間ごとに5分程度の休憩をいただけると幸いです。
  • 体調管理のために規則的な生活リズムを維持しており、残業は難しい状況です。

物理的な職場環境の整備

障がいによる支障を取り除くための物理的な環境に関する要望を記載します。

例えば、バリアフリーの導入や障がいの特性に応じたデスクや、執務環境の整備、服薬や休憩などに利用できるスペースの確保などが挙げられます。

▼書き方の具体例

  • 車椅子で移動が必要になるため、スロープやエレベーター、多目的トイレが整備されている職場を希望します。
  • 経管栄養で食事をするため、個室の休憩スペースを確保いただけると幸いです。

通院時や体調不良時の対応

定期的な通院や急な体調不良時に必要となる配慮について記載します。勤務時間の柔軟な調整や業務のサポート体制を整備してもらうことで、仕事との両立がしやすくなります。

▼書き方の具体例

  • 月に2回、定期的な通院が必要です。半日休暇や時間単位の有給休暇を利用させていただけると幸いです。
  • 体調不良の際は、自宅療養を認めてもらえると幸いです。

コミュニケーションの取り方

業務の指示や情報共有、日常的な会話などにおけるコミュニケーションの取り方についても、配慮事項に記載しておく項目の一つです。

自身の障がい特性について説明したうえで、理解しやすい話し方や会話を聞き逃さないための情報伝達手段、ツールの活用などについて要望を記載します。

▼書き方の具体例

  • 口頭での指示は聞き逃す可能性があるため、メールやチャットでの情報共有を希望します。
  • 一度に複数の指示をされると混乱してしまうことがあります。一つずつテキストで指示をいただけると理解がスムーズになります。

 

障害者雇用の配慮事項における伝え方のポイント

配慮事項を書くときに、「お願いしたいこと」「できないこと」をただ羅列するだけでは不十分といえます。納得してもらいやすいように、自身による工夫や代替策を一緒に記載したり、「できること」にフォーカスして前向きな姿勢を示したりすることが大切です。

➀障がい特性は客観的に説明する

自身の障がい特性を記載する際は、客観的な視点で説明することが重要です。

障がいの種類や診断名を記載するだけでは、仕事への影響や症状、健康状態などを客観的に判断することが難しくなります。障がいが仕事にどう影響するか、具体的な業務や働き方をイメージできるようにすることが必要です。

▼障がい特性の伝え方

【伝わりにくい例】

腎臓障がいがあり、身体障害者手帳1級を取得しています。

【伝わりやすい例】

腎臓障がいがあり、週に3回の透析治療を受けています。透析後は疲労感があるため、荷物の運搬や頻繁な移動などの身体的な負担のある仕事は難しいです。デスクワークであれば問題なく業務を行えます。

②要望は具体的に伝える

企業に求める配慮については、抽象的な表現を避けて具体的に「何をしてもらいたいのか」といった要望を明確に伝えます。

また、「なぜ必要なのか」といった理由を併せて記載すると、納得感のある説明ができるほか、要望を叶えられない場合にほかの代替案を提案してもらえる可能性があります。

③求職者側で工夫や代替策を提案する

一方的に配慮を求めるのではなく、自分自身の工夫や考えている代替策を一緒に提案することが大切です。企業とともに働きやすい環境づくりを目指す姿勢により、就労の意欲や積極性を示すことができます。

▼配慮事項に盛り込むとよいこと

  • 障がいによる支障に対してどのような工夫をしているか
  • 業務やコミュニケーションを円滑に行うためにどのように取り組むか
  • 体調管理や通院との両立をどうするか など

④ポジティブな表現に言い換える

配慮事項を伝える際は、「〇〇ができない」といったネガティブな表現で終わるのではなく、「〇〇することで、〇〇ができるようになる」といったポジティブな表現に言い換えることがポイントです。

これにより、企業が障がいをマイナス要素として捉えるのではなく「どのような業務で活躍してもらえるか」を具体的にイメージしやすくなり、選考にもよい影響をもたらします。

▼ポジティブな伝え方の具体例

【デスクワークの希望を伝える場合】

■ネガティブな例

長時間の立ち仕事はできません。

■ポジティブな例

体力に課題があり長時間の立ち仕事は難しいですが、デスクワークであれば身体的な負担がほとんどなく業務を円滑に行えます。

【電話対応が難しい場合】

■ネガティブな例

耳が聞こえにくいため、電話対応はできません。

■ポジティブな例

耳が聞こえにくく電話対応が難しいですが、メールやチャットでの対応であれば問題なく対応できます。

 

障がいの特性に応じた配慮事項の記載例

自分にとって必要な配慮事項を適切に伝えることは、働きやすい職場環境を整えるために重要となります。ここでは、具体的な配慮事項の記載例を紹介します。

補助用の支援機器やツールを使用したい場合

障がいによって身体の機能・動作を補う支援機器・ツールが必要な方は、使用したいものを具体的に記載します。

▼配慮事の項記載例

  • 上肢に障がいがあり、キーボードの入力が困難なため、音声入力ソフトの使用を希望します。
  • 視覚障があり、パソコン画面の文字が見えにくいため、画面読み上げソフトや拡大読書器の使用を希望します。

音声言語でのコミュニケーションに課題がある場合

聴覚障がいや言語障がいなど、音声言語でのコミュニケーションに困難がある場合には、情報伝達の方法について記載します。

▼配慮事の項記載例

  • 聴覚障がいがあるため、業務の指示は筆談や書面、チャットなどで伝えていただけると助かります。
  • 言語障がいがあるため、会議での発言には時間を要する場合があります。チャットなどで事前に発言内容を共有できるようにお願いしたいです。

集中力や体力に課題がある場合

内部障がいや睡眠障がいなどが原因で集中力が続かなかったり、疲れやすかったりする場合には、勤務時間の調整や休憩の取り方などについて配慮事項を記載します。

▼配慮事の項記載例

  • 少しの動作で疲れやすい傾向があるため、長時間の立ち仕事や階段の昇り降りが少ない業務を希望します。
  • 朝の起床が困難な場合があるため、フレックスタイム制や時差出勤が可能な働き方を希望します。

 

配慮事項の書き方に悩む方は転職エージェントを活用しよう

履歴書や職務経歴書の配慮事項をどのように書けばよいか悩む方は、第三者の視点からアドバイスをもらうのも一つの方法です。

障害者雇用に精通した転職エージェントを活用すると、一人ひとりの障がいの特性を客観的に見て、企業に伝わりやすい配慮事項の書き方を一緒に考えてくれます。

私たち『エージェント・サーナ』も、障がいを持つ方の転職活動をサポートしています。経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの障がい特性や希望を丁寧にヒアリングして、応募書類の作成から面接対策まで全面的にバックアップいたします。

エージェント・サーナが選ばれる理由

 

まとめ

障害者雇用では、自身の障がい特性に合った職場で自分らしく安定して働き続けるために、企業に対して配慮事項を明確に伝えておくことが重要です。

障がい特性や要望を具体的に伝えるだけでなく、自分でできる工夫や代替策を提案したり、できないことをポジティブな表現に言い換えたりすることもポイントです。配慮事項の書き方に悩む方は、転職エージェントを活用して専門的なアドバイスを受ける方法もあります。

エージェント・サーナ』は、障がいのある方が自分らしく働ける職場と出会うための就職・転職活動をサポートしています。障がいの特性や適性を踏まえた求人紹介に加えて、履歴書や職務経歴書の作成も支援いたします。ぜひご活用ください。

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