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転職活動コラム

副腎皮質機能低下症・アジソン病を抱えながらでもできる仕事。必要な職場環境とは

2025.11.05

副腎皮質機能低下症やアジソン病と診断され、「この病気でも働けるのだろうか」「どんな仕事を選べば良いのだろうか」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

この病気を抱えながらでも、症状を考慮し、適切な環境を選ぶことで十分にキャリアを築いていくことは可能です。

この記事では、副腎皮質機能低下症の概要から、無理なく働ける仕事の種類、安心して働くために職場に求める環境について解説いたします。

副腎皮質機能低下症とは

副腎皮質機能低下症とは、副腎皮質からホルモンが十分に分泌されなくなる病気です。副腎皮質から分泌されるホルモンには、生命維持に欠かせないさまざまな役割があります。

副腎ホルモンの種類と役割

種類 役割
コルチゾール エネルギー代謝をコントロールする
アルドステロン 体内の電解質のバランスを整える

ホルモンの不足によってこれらがうまく行えなくなることで、全身の倦怠感をはじめとする症状が現れます。また、治療せずに症状が進行した場合、急性副腎不全と呼ばれる重篤な疾患につながる可能性もあります。

 

副腎皮質機能低下症の種類

副腎皮質機能低下症は、原因となる障害が生じた部位によって、大きく3つの種類に分類されます。どの種類もホルモンが不足するという結果は共通していますが、そこに至る根本的な原因が異なります。

原発性(アジソン病)

発性副腎皮質機能低下症は、副腎そのものに直接的な障がいが生じた状態で、アジソン病とも呼ばれます。

自己免疫反応によって副腎がダメージを受け、ホルモンを十分に生成できなくなることが主な原因です。そのほかにも、結核のような感染症やがんの転移などによって副腎が破壊されて生じるケースも見られます。

ほかの副腎皮質機能低下症と比較して、コルチゾールだけでなくアルドステロンも不足しやすい点が特徴的です。

続発性

続発性副腎皮質機能低下症は、下垂体から分泌される“副腎皮質刺激ホルモン”(以下、ACTH)が何らかの理由で不足し、副腎のホルモン生成が十分に促されなくなった状態です。

ACTHが不足する原因の例

  • 下垂体腫瘍
  • 下垂体手術後の合併症
  • 放射線治療の影響 など

ACTHは副腎にホルモンを作るように指令を出す役割を担っているため、ACTHの不足はコルチゾールを中心とする副腎ホルモンの不足につながります。

三次性

三次性副腎皮質機能低下症は、視床下部で生成される“副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン”が十分に生成されなくなった状態です。このホルモンはACTHの分泌を促す役割を持つため、結果的にACTHの不足につながり、副腎の機能低下が生じるメカニズムになっています。

続発性と同じくコルチゾールが主に不足するため、症状も似ています。視床下部の障がいのほか、ステロイド薬の使用を急に中止した際に生じるケースもあります。

 

副腎皮質機能低下症の主な症状

副腎皮質機能低下症では、不足するホルモンの作用に関連して、全身にわたる様々な症状が現れます。体力の低下や血圧の異常、消化器系の不調など、日常生活や仕事に影響を与える症状も多い点が特徴です。

慢性的な疲労感・倦怠感・脱力感

慢性的な疲労感や倦怠感、脱力感は、副腎皮質機能低下症の代表的な症状です。これらは、体内のエネルギー代謝を調整するコルチゾールの不足によって生じます。

コルチゾールが不足すると、体がエネルギーを効率的に利用できなくなり、全身が常にだるい感覚や力が入らない感覚に襲われます。これらの症状は、十分に睡眠をとっても改善しない点が特徴です。朝から夜まで気力が出ない状態が続き、仕事のパフォーマンス低下につながることもあります。

低血圧による立ちくらみ

体内における塩分と水分のバランスを調整するアルドステロンが不足することで、低血圧の原因となります。

立ち上がったときにふらつきやすく、意識が遠のくような感覚を覚えるケースも見られます。特に朝起床時や長時間座っていたあとに症状が顕著になる点が特徴です。また、職場での移動や会議中に問題が生じることもあります。

重症の場合は失神に至る可能性があるため、事前に対策を用意することが重要です。

食欲不振による体重の減少

コルチゾールには食欲を調整する作用があり、不足することで食欲が低下します。食事の量がとれなくなるだけでなく、食べ物が美味しく感じられなくなることもあります。

後述する吐き気や腹痛などの消化器症状も併せて起こるため、栄養の摂取が困難になり、短期間で体重が著しく減ってしまうケースも見られます。

栄養不足によってさらに疲労感が増す悪循環に陥る可能性もあるため、意識的に栄養価の高い食事を工夫することが欠かせません。

消化器症状

吐き気や嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状が見られます。主な原因は、コルチゾールの不足による消化管機能の低下や、アルドステロンの不足による電解質バランスの乱れなどです。

症状が強い時期には、食事摂取そのものが困難になり、さらなる栄養不足に陥ることがあります。また、嘔吐や下痢が続くと脱水が進行して低血圧が悪化するリスクも生じます。

症状が出たり引っ込んだりしやすく、体調管理が難しい点も特徴です。

皮膚・粘膜の色素沈着

皮膚や粘膜に色素沈着が生じて褐色化する現象が起きることがあります。ACTHの過剰分泌によるもので、主に原発性の副腎皮質機能低下症(アジソン病)で生じる症状です。

副腎の機能が低下すると、脳は副腎を刺激しようとしてACTHを過剰に分泌します。ACTHにはメラニン色素の生成を促す作用もあるため、皮膚や口の粘膜、爪などに色素が沈着して濃くなります。

続発性や三次性の副腎皮質機能低下症においては反対にACTHが不足するため、この症状は見られません。

 

副腎皮質機能低下症が仕事に与える影響

副腎皮質機能低下症を抱えながら仕事を続けると、複数の課題に直面する可能性があります。症状の程度は個人差が大きいため、実際にどのような影響があるかは人によって異なります。継続的な就業のためには、自分自身の状態を理解して職場に適切に伝えることが重要です。

遂行できる業務が制限される

疲労感や脱力感によって肉体労働や長時間労働が難しくなります。特に建設業やサービス業など、身体への負荷が大きい職種では症状が悪化して仕事を続けられなくなるケースも見られます。医師の指示によっては、労働時間や業務内容の調整が必要です。

また、疲労が蓄積すると症状の悪化につながる恐れがあるため、残業や出張の多い仕事への対応が困難になることもあります。職場との事前相談を通じて、自分にとって現実的な業務配分を決めることが大切です。

安定した勤務が困難な場合がある

副腎皮質機能低下症は、安定した勤務を困難にする場合があります。体調が良い日と悪い日の差が激しくなりやすいことが主な要因です。急な体調不良による欠勤や早退が必要となるケースのほか、人によっては集中力や思考力の低下など認知機能への影響も現れます。

そのため、特に毎日決まった時間に高いパフォーマンスを維持することが求められる仕事では、継続が難しくなる可能性が生じます。

 

副腎皮質機能低下症を抱えて仕事をするために必要な職場環境

副腎皮質機能低下症の症状を管理しながら仕事を続けるためには、症状に配慮された職場環境が欠かせません。自分の体調や症状に合った環境が整っていれば、継続的なキャリアが築きやすくなります。

身体的・精神的な負担を抑えられる環境

副腎皮質機能低下症の方は、コルチゾールの不足により体力の消耗が激しくなるため、身体的・精神的な負担を抑えられる環境が欠かせません。

肉体労働や長時間労働など、身体に負担をかけやすい仕事は避ける必要があります。また、精神的なストレスも症状を悪化させる大きな要因となるため、納期に追われる仕事や人間関係の複雑な職場、成果主義が厳しい職場などは向いていません。

デスクワークが中心で、フレックスタイム制をはじめとする柔軟な働き方がしやすい環境が求められます。

休憩を取りやすい環境

副腎皮質機能低下症を抱える方にとって、休憩を取りやすい環境は非常に重要です。疲れやすいだけでなく、場合によっては意識を失うリスクもあるため、こまめな休憩が欠かせません。

休憩を取りやすい環境の例

  • 休憩室が確保されている
  • いつでも休める雰囲気がある
  • 立ちくらみが起きた場合に備えて、すぐに横になれるスペースがある
  • 自分のペースで水分補給や栄養補給ができる など

会社側が、病気を理由とした定期的な休憩を認めるかどうかは、長期的な就業継続に大きな影響を与えます。加えて、休憩中に誰かに支援を求めやすい環境があると、安心感につながります。

周囲の理解を得やすい環境

副腎皮質機能低下症は外見から病気がわからず一般的な知名度も低いため、職場の上司や同僚の理解を得にくいケースが考えられます。

現在の職場で十分に理解を得られない場合、障害者雇用での転職を検討する方法もあります。障害者雇用とは、障害者手帳を持つ方を対象とした雇用枠です。一定以上の規模を持つ企業には、法令で定められた人数以上の障がい者を雇用することが義務づけられています。

障がいの特性を前提とした雇用になるため、理解のある職場で働きやすくなります。また、体調や障害に配慮した業務内容や勤務時間の調整など、一般雇用よりも働きやすい環境が期待できる点も特徴です。

産業医や障害者職業カウンセラーへの定期的な相談体制が整っているケースも多く見られます。

 

副腎皮質機能低下症をお持ちの方に向いている仕事

副腎皮質機能低下症がある方に向いている仕事は、主にデスクワークが中心になります。身体への負担が少なく、自分のペースで作業を進められる職種を選ぶことが、長期的な就業継続のために重要です。

副腎皮質機能低下症をお持ちの方に向いている仕事の例

仕事 特徴
一般事務 ルーティンワークが多く、自分のペースで業務を進められる
プログラマー・SE 専門性が高く、集中して作業を進められるため、柔軟な働き方を交渉しやすい
データ入力 座って行える作業が中心で、体力的な負担が少ない
Webデザイナー 創造性を活かしながら体調に合わせた働き方が可能

職種が同じでも企業によって細かな条件が異なる場合もあるため、実際の業務内容や職場環境について詳しく確認することが重要です。

 

障がい者雇用での転職を検討する際はキャリア・アドバイザーへ相談を

障がい者雇用での転職を考える際は、キャリア・アドバイザーへの相談がおすすめです。

自分一人で職業訓練校や求人サイトを探しても、副腎皮質機能低下症に適した企業や職種を見つけるのは困難です。障がい者向けの転職エージェントには、病気のある方の就業をサポートした経験が豊富で、配慮の必要性を理解したキャリア・アドバイザーが多くいます。

エージェント・サーナ」は、障がい者専門の転職エージェントです。副腎皮質機能低下症を含む様々な疾患のある方の就業をサポートしています。面接のアドバイスから配慮内容の調整、採用後のフォローアップまで、一連のプロセスを包括的に支援することが可能です。

 

まとめ

副腎皮質機能低下症を抱えながら仕事を続けることは十分に可能です。そのためには、自分の症状や体調変化を理解し、それに合わせた職場選びを行うことが欠かせません。デスクワーク中心で柔軟な働き方がしやすい環境を選び、周囲の理解と協力を得られれば、安定した就業を実現できます。

現在の職場で十分な配慮が得られない場合は、障害者雇用制度の活用も一つの方法です。専門家のサポートを受けながら自分に合った職場を探すことで、長期的なキャリアの構築が実現しやすくなります。

エージェント・サーナ」では、プロのアドバイザーがあなたに寄り添い、障がいの特性に合った求人のマッチングや書類作成、面接対策のサポートなどを実施いたします。障がい者雇用での転職を検討されている方はぜひご相談ください。

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