
身体障害者手帳は、身体に一定以上の障がいがある方に認定・交付される公的な手帳です。
手帳の交付を受けることで、各種支援・サービスの利用や障害者雇用枠での就労が可能になるため、安定した生活やキャリア形成の手助けになります。
身体障害者手帳の取得を検討している方のなかには「有効期限はある?」「数年ごとに更新の手続きが必要になる?」など疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、身体障害者手帳の有効期限や再認定(更新)が必要になるケース、具体的な手続きなどについて分かりやすく解説します。
目次
身体障害者手帳は更新が必要?
身体障害者手帳は、特定の障がいが一定以上で永続する方に交付されます。そのため、一度取得すれば有効期限はなく、原則として更新手続きは不要です。
ただし、手帳の交付時に「再認定制度」の対象となった方は、定められた期日までに改めて医師の診断を受け、更新(再認定)の手続きを行うことが必要になります。
出典:厚生労働省『障害者手帳』
身体障害者手帳の再認定制度とは
身体障害者手帳の再認定制度とは、将来的に障がいの程度が変化(軽減または重症化)すると予想される場合に、一定期間を空けて改めて認定を行う制度のことです。
以下では、再認定制度の仕組みについて詳しく解説します。
再認定の時期
再認定の時期は、個々の状況に応じて手帳の交付から1~5年以内で指定されます。
再認定の対象となる方は、身体障害者手帳に「再認定年月」が記載されており、1ヵ月前までに本人へ通知書が送付されることが一般的です。
通知が届いたら、記載された期日までに申請書類を提出して手続きを行う必要があります。
再認定の対象となるケース
再認定の対象となるのは、将来的に障がいの程度が変わると見込まれる方です。具体的には、以下のような方が該当します。
▼再認定の対象となる方
- 更生医療や機能回復訓練によって障がいの程度が軽減すると見込まれる
- 手術後の経過観察期間にあり、障がいの程度や症状が固定していない など
各自治体に通知される『身体障害者障害程度の再認定の取り扱いについて』において、障がいの状態が変化すると予想される疾患として以下が挙げられています。
▼障がいの状態が変化すると予想される疾患の例
| 障がいの種別 | 疾患 |
| 視覚障がい | 白内障、角膜白斑、緑内障、高度近視、網膜色素変性など |
| 聴覚または平衡機能障がい | 耳硬化症、外耳道閉鎖症、慢性中耳炎など |
| 音声機能・言語機能またはそしゃく機能障がい | 多発性硬化症、重症筋無力症など |
| 肢体不自由 | 慢性関節リウマチ、拘縮、変形性関節症、骨折後後遺症による関節運動制限、多発性硬化症、パーキンソン病など |
| 内部障がい | 心筋症、腎硬化症、肺線維症、クローン病など |
出典:厚生労働省『身体障害者障害程度の再認定の取り扱いについて』
再認定の申請から再交付までの流れ
ここからは、身体障害者手帳の再認定手続きについて具体的な流れを解説します。
①再認定通知書の確認
再認定の時期の1ヵ月前ごろになると、自治体から再認定通知書が送付されます。
再認定を申請してから新しい手帳が交付されるまでに1~2ヶ月程度かかるため、通知書を受け取ったら早めに内容を確認して手続きを始めることが重要です。
②指定医師による診断書・意見書の作成依頼
再認定の申請には、医師が作成した診断書・意見書が必要です。
このとき受診する医師は、自治体が指定する医師に限定されています。また、身体障がいの種類によって診断書の様式が異なるため、規定の様式を使用することが求められます。
▼診断書・意見書の作成を依頼するポイント
| 障がいの等級について正しい認定を受けるために、自身の障がい状態や日常生活・就労での困りごとなどを具体的に伝えましょう。 |
診断書は、自治体のホームページや地域の障がい福祉課などで入手することが可能です。
③申請書・必要書類の提出
指定医師の診断書・意見書を準備できたら、自治体のホームページや地域福祉課の窓口で『身体障害者手帳再交付申請書』を入手して必要事項を記入します。
申請書のほかに、以下のものが必要になります。
▼申請書と一緒に提出が必要なもの
|
申請書と必要書類の準備ができたら、再認定通知書に記載されている地域の障がい福祉窓口へ提出します。
④身体障害者手帳の再交付
再認定の申請書を提出したあとは、障がいの状態について改めて診査が行われます。その後、手帳の交付に関するお知らせが送付されるため、記載された窓口に出向いて新しい手帳を受け取りましょう。
診査の結果、指定医師の意見とは異なる等級が認定される場合があります。以下に当てはまった方は、手帳の再交付は行われず現在持っている手帳の返還が必要になります。
▼手帳の返還が必要になるケース
- 障がいの状態が『身体障害者障害程度等級表』に該当しないと判定される
- 「肢体不自由7級」のみへの等級変更が行われる
再認定の申請を行わなかったらどうなるのか
「再認定をしたくない」「申請を忘れていた」といった理由で期日までに申請を行わなかった場合には、自治体から手帳の返還を求められます。
もし返還に応じなかったとしても、再認定時期を過ぎている手帳は公的な証明書として認められなくなり、以下のような問題が生じてしまいます。
▼再認定を行わないことによる問題
- 各種手当や税金の軽減措置を受けられなくなる
- 身体障がい者向けの公的サービス・民間サービスを利用できなくなる
- 障害者雇用枠での就労ができなくなる など
公的な支援や税金の減免を受けられなくなると、経済的な負担が増えて生活面に影響を及ぼす可能性があります。また、障害者雇用で働いている方は、現在の職場で雇用契約を継続することが難しくなったり、転職ができなくなったりする問題を招きます。
現在持っている身体障害者手帳に再認定時期が記載されている方は、忘れずに再認定申請を行うようにしましょう。
身体障害者手帳の再認定に関するよくある疑問
再認定の手続きを進めるうえで、多くの方が気になる疑問について解説します。
障がいの状態が変わらない場合でも再認定が必要?
指定医師を受診した際に「障がいの状態が変わらない」と伝えられた場合でも、お持ちの手帳に「再認定時期」が記載されている場合は再認定が必要です。
また、指定医師に作成してもらう診断書は、再認定の時期における障がいの状態が記載されたものが必要になるため、前回の診断書は利用できません。
再認定時期の前に障がいの状態が重くなったらどうする?
再認定時期が来る前に障がいの状態が重くなった場合や、新たな障がいが併発した場合には、再認定の時期を待たずに「等級変更」や「障がい追加」の申請を行うことが可能です。
申請内容に基づいて障がいの状態が再診査され、等級変更が認められた場合には新しい等級の手帳が交付される仕組みとなります。
再認定の手続きと同様に、身体障害者手帳再交付申請書に記入するとともに、指定医師が作成した診断書・意見書の提出が必要です。
出典:厚生労働省『身体障害者障害程度の再認定の取り扱いについて』
等級が変わったら職場に伝える必要はある?
障害者雇用枠で就労している方で等級が変わった場合は、速やかに職場に報告する必要があります。改めて配慮事項の話し合いを行い、業務内容や勤務形態などの調整を行います。
一方、一般雇用枠で就労している方は、等級の変更について職場に報告する必要はありません。ただし、障がいが重くなり配慮が必要になった場合には、職場の人事労務担当者へ相談することが大切です。
まとめ
身体障害者手帳の更新は基本的に不要ですが、交付時に「再認定」の対象となっている方は、期日までに指定医師の診断を受けて申請手続きを行う必要があります。
期日までに再認定の診査を行わなかった場合には、公的支援・サービスを受けられなくなったり、障害者雇用枠での就労を継続できなかったりする可能性があるため、忘れずに早めの手続きを行いましょう。
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