業界2メーカー
メーカーの動向を探ってみましょう。
メーカーは基幹産業
メーカーとは、大まかにいえば原材料を加工し、製品・開発、生産する「製造業」で、「モノづくり日本」を支える基幹産業です。
生産する分野により、鉄道、航空機、自動車、鉄鋼、非鉄金属、電気・電子、精密機械、建設・建築設備、化学、繊維、食品、飲料、医薬品など多種多様に区分されます。
まさに、インフラ設備から身近な製品まで、安全・安心をはじめ便利・快適など、ありとあらゆるモノづくりを担っているのがメーカーです。
メーカーの仕組みと事業領域
ひと言でメーカーといっても、企業規模や製品などにより、「素材メーカー」「加工・組立メーカー」「自社生産・加工メーカー」に分けられます。
「素材メーカー」とは、化学素材をはじめ樹脂、ゴム、鉄鋼、非鉄金属、繊維やガラス、紙などの素材を作り出しているメーカーで、化学メーカー、繊維メーカー、鉄鋼メーカーなどがあります。
「加工・組立メーカー」は、素材メーカーで生産された製品を加工・組立てるメーカーで、自動車メーカーや食品メーカーなどがあります。
「自社生産・加工メーカー」には、自社で原料(素材)を研究・開発、加工・生産する一貫生産体制によるモノづくりを行って販売しているメーカーで、化粧品メーカーや医薬品メーカーなどに分類されます。
また、メーカーは「製品の販売対象」により、「B to B型」と「B to C型」の2つのタイプに分類できます。
Business to Businessと呼ばれる「B to B」は、企業に向けて製品を生産しているメーカーです。原料などを加工して企業に販売している鉄鋼メーカーをはじめ素材を扱う石油・化学メーカー、生産設備等を製造・販売する機械メーカーや設備メーカーがあります。企業向けの製品を製造している「B to B」には、世界市場でシェアがナンバーワン企業やオンリーワンの技術で世界を席巻している企業が数多く存在します。
一方、Business to Consumerと呼ばれる「B to C」のメーカーは、一般消費者に向けた製品を製造・販売しています。店頭で消費者が直接購入できる製品を製造している食品メーカーや化粧品メーカーをはじめ、自動車メーカーなどが分類されます。生活に身近な製品なので、なじみがある企業名や製品名が多いのも「B to C」の特徴といえます。
メーカーの取り組み
B to B型、B to C型にかかわらず現在注目されているのが、「モノのインターネット化」と呼ばれるIoT(Internet of Things)を活用したモノづくりです。
IoTの機能は大きく分けて、「モノの遠隔操作」「モノの動き・状態を検知」「モノ同士の通信」の3つに分けられます。
「モノの遠隔操作」は、離れた場所にあるモノを遠隔から操作する機能で、インターネットに接続されているIoT家電はその代表例といえます。
「モノの動き・状態を検知」は、IoT化されたモノのセンサを組み合わせることで、インターネット経由でセンサ情報を収集し、さまざまなモノの動きや状態が検知でき、製造現場の工場内の機械設備の稼働状況を把握することで生産効率を高めるとともに、故障の事前防止も可能になります。
「モノ同士の通信」では、モノの動きや状態などを検知したデータを、人を介さずにモノ同士で自動的に最適な判断・操作が可能となり、工場内の機械同士がインターネットに接続され「工場自体の効率化を考える」というスマートファクトリーの具現化に不可欠な機能といえます。
このように製造業におけるIoTの活用は、「製造工程の可視化」「機器故障の事前防止」「製品・サービスの新たな価値創造」などのメリットがあり、今後も、製造する分野にかかわらず各メーカーともIoT活用に向けた取り組みを強化していくでしょう。
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